App Store Connectの操作だけで、iOSアプリの所有権を別のアカウントに移転できます。条件の確認からリクエスト送信、譲渡先での承認までの流れを紹介します。
開発者が変わる場合や会社間でアプリを引き継ぐ場合に、この手続きが必要になります。App Store Connectの画面で操作が完結するため、手続き自体は難しくありません。ただし事前に満たすべき条件がいくつかあり、そこで引っかかるケースがあります。
譲渡前に確認すること
所要時間
譲渡が完了するまでに数日かかる場合があります。リリーススケジュールに影響が出ないよう、余裕を持って手続きを開始してください。
譲渡先のアカウント
譲渡先にも有効なApple Developer Programのアカウントが必要です。法人アカウントの場合はDUNS Numberの取得から始まるため、アカウント開設だけで 2〜3週間 かかることがあります。譲渡の予定がある場合は、先にアカウントを準備しておいてください。
ブログApple法人アカウント開設の流れApple法人アカウントの開設手順を解説します。DUNS Numberの申請から法人アカウントの承認まで、大まかな流れと注意点について紹介します。App Store Connectで譲渡を開始する
App Store Connectにログインし、譲渡したいアプリの詳細画面を開きます。画面下部の「アプリの譲渡」をクリックします。

この項目が表示されていない場合は、アカウントの権限を確認してください。Admin以上の権限が必要です。Account Holderの権限を持つユーザーであれば確実に表示されます。
譲渡条件を確認する
アプリの譲渡にはいくつかの前提条件があります。条件を1つでも満たしていない場合、譲渡は進められません。

条件画面ではチェックリスト形式で各項目の状態が表示されます。アプリの審査ステータス、TestFlightの状態、契約情報、暗号化に関するコンプライアンスなどが対象です。未達の項目があれば先に対応してください。
TestFlightの外部テストが有効になっている場合は、テストグループの停止が必要です。App内課金を設定しているアプリでは、すべてのサブスクリプションと課金アイテムのステータスが正常であることも求められます。
全項目にチェックが入った状態で、次のステップに進みます。
譲渡リクエストを送信する
譲渡先のApple IDとチームIDを入力し、譲渡リクエストを送信します。リクエスト送信後、譲渡先に通知メールが届きます。

譲渡先が承認するまで、アプリの所有権は移転しません。 リクエスト送信後も、譲渡元はアプリの管理権限を保持し続けます。譲渡リクエストには有効期限があるため、譲渡先には速やかに対応してもらう必要があります。
譲渡先で承認する
譲渡先がApp Store Connectでリクエストを承認すると、所有権が移転します。完了後、譲渡元と譲渡先の両方に完了通知メールが届きます。

譲渡後に引き継がれるデータ
譲渡後のアプリでは、ユーザーのレビュー・評価・ダウンロード数がそのまま引き継がれます。アプリの実績が失われることはありません。クラッシュレポートやApp Analyticsのデータも譲渡先のアカウントで確認できます。
アプリのBundle IDは変更されないため、既存ユーザーのアップデートにも影響はありません。プッシュ通知の証明書は譲渡後に再設定が必要になるため、譲渡先で事前に証明書の発行準備をしておくとスムーズです。